リースバックは老後の生活資金を確保するための方法として注目されていますが、一方で高齢者世帯を狙って売主に不利な条件で自宅の売却をさせる悪質なリースバック業者もいます。
リースバックの契約手続きが完了してしまうと、簡単に解約ができないため条件面は特に慎重に検討する必要があります。
今回は不動産業界歴18年でリースバック取引を行う私が、高齢者がリースバックを利用する際に気を付けるべき注意点について詳しく解説します。
本授業のレベルsection
今回は高齢者のリースバックについてです
リースバックを最も利用されている世帯が65歳以上の高齢者世帯と言われているが、悪質な業者によるトラブルも報告されている。
悪質な業者に騙されないためも、検討する上での注意点について詳しく解説をお願いします!
リースバックとは・・
リースバックは現在の自宅を売却し、売却後も引き続き賃貸として住み続ける売却方法です。
賃借人として賃料を支払う必要がありますが、売却によってまとまった資金を手に入れることができることがリースバックメリットです。
高齢者世帯は新たな借入が困難となるため、リースバックは老後資金を確保する方法として利用されています。
リースバック契約では、買主が個人ではなく法人(不動産会社)となることが一般的です。
リースバックの仕組み
売買代金は一括で受け取り
不動産売却によって売買代金が一括で支払われます。
これにより、売主はまとまった資金を調達することができます。
家賃が発生する
通常の不動産売却であれば、ここで自宅からの引越しが必要となりますが、リースバックの場合はそのまま住み続けることができます。
家賃は買主であるリースバック会社に毎月支払うことになります。
家賃設定額はリースバック会社によって異なります。
ポイント:リースバックは不動産の売却
リースバックは高齢者が纏まった資金を調達する方法として、利用が広まっていますが注意点があります。
リースバックは自宅の売却ということです。当然所有権は失うことになります。
この点において、不動産を担保に入れた借入の手段であるリバースモーゲージとは異なります。
自宅を売却することで所有者を失う訳なので、住み続けることが出来てもこれまでとは異なる部分もあります。
具体的には、部屋の模様替え設備に入れ替えは許可なく勝手に出来ないことになります。
自宅売却は、本人だけでなく相続人にとっても影響があることです。そのため、家族に何も相談せずに話を進めてしまいトラブルになることも少なくありません。
高齢者世帯にリースバックが多い理由
全世帯の中でも65歳以上の高齢者世帯がリースバックを利用するケースが多い理由を紹介します。
借入が難しく資金調達の手段が少ない
高齢者世帯は定年退職により安定的な収入がなくなり、年金生活となることが多いため、まとまったお金を借りることが難ししいものです。
高齢者の借入はなぜ難しい?
高齢者の借入が難しい理由は、借入の目的が生活資金であることが多く、借入による支払いのためにより生活が厳しくなると考えられるため、滞納リスクが高いと判断されてしまうからです。
高齢者世帯がお金を借りることのできる方法として「リバースモーゲージ」や「不動産担保ローン」があり、リースバックと並行して検討されることが多くなっています。
しかしながら、自宅の担保評価が低く希望する金額が借りれないことも少なくありません。
リースバック | 不動産担保ローン | リバースモーゲージ | |
---|---|---|---|
引越し | 不要 | 不要 | 不要 |
住む権利 | 賃借権 | 所有権 | 所有権 |
資金調達額 | |||
融資審査 | 無 | 有 | 有 |
対応住宅 | マンション・戸建て | マンション・戸建て | 主に戸建て |
所有権 | 移転(売却) | 移転しない(融資) | 移転しない(融資) |
自宅の担保 | ー | 有 | 有 |
毎月の支払い | 家賃 | 金利+元金 | 金利のみ |
提供法人 | 不動産会社等 | 銀行等 | 銀行 |
リバースモーゲージとは・・
現在の自宅を担保に融資を組む方法で、融資額は一戸建ての場合は土地の価格を基準に決められる。
ローンの支払い返済は、金利の返済分のみとなるため、毎月の負担が抑えられる。
債務者が死亡した場合には、金融機関が自宅を売却して債権(融資額)の回収を行う。
不動産担保ローンとは・・
自宅を担保に入れて、融資を組むという点ではリバースモーゲージと同じ。
不動産担保ローンの場合は、金利だけでなく元金の支払いも必要となるため、借入額よっては毎月の負担が大きくなる。
住宅ローンがなく資金が手元に残る
65歳以上の高齢者世帯の場合は、住宅ローンを完済していることも多いため、自宅を売却して纏まった資金を確保しつつ、賃貸として住み続けるリースバックを検討することが多くなっています。
住宅ローンの残債が残っていても、ローン残額自体が少ない場合には、リースバックを利用するケースが多くなります。
住宅ローンが残っている場合には、融資である「リバースモーゲージ」や「不動産担保ローン」の検討が難しいことが多くなります。
住宅ローンが残っている場合は第1抵当権と呼ぶのに対し、リバースモーゲージや不動産担保ローンは第2抵当権と呼びます。債務者が支払い困難となった際の競売等による資金回収は第1抵当権者が優先されるため、第2抵当権者の融資回収の担保が難しくなるためです。
年金だけでは生活が厳しい
厚生労働省「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、高齢者世帯の平均の年金受給額は老齢基礎年金と厚生年金を合わせて146,162円となっています。
一方で生活に必要な生活費はといえば、以下の表の通り毎月224,390円となっています。
毎月78,228円が不足していることになります。
日本人の平均寿命が、男性81.47歳、女性87.57歳となっています(厚生労働省の簡易生命表(令和3年))が、定年後の約20年程の期間の生活費が不足してしまいます。
例えば、現在65歳の夫婦が85歳まで生きた場合、18,774,720円が必要となります。これが、老後2,000万円問題と言われる理由です。
費目 | 金額 |
---|---|
食料 | 65,804円 |
住居 | 14,518円 |
高熱・水道 | 19,845円 |
家具・家事用品 | 10,258円 |
礼服及び履物 | 4,699円 |
保険医療 | 16,057円 |
交通・通信 | 26,795円 |
教育 | 4円 |
教育娯楽 | 19,658円 |
その他支出 | 46,752円 |
合計 | 224,390円 |
高齢者が悪質なリースバック業者のカモにされる理由
以下は国土交通省が作成した「住宅のリースバックに関するガイドブック」に記載されている、高齢者世帯のリースバックに関するトラブル事例です。
強引な勧誘で契約してしまい、後から解約を申し出たら高額な解約金を請求された
「お住いのマンションを当社に売却して、当社が賃貸することで住み続けられるリースバックの契約をしないか」と勧誘の電話があった。断ったが、その後の数回電話での勧誘があり、「玄関先での話でいいので訪問したい」と言われ、了承した。営業担当者は何度か来訪し、しつこく勧誘され、根負けして約2,000万円で契約することになった。契約書を買わず約束の日に「やっぱり契約はキャンセルしたい」と電話で伝えたが、「もう書類をつくっているので訪問する」と言われ、来訪された。
国土交通省 住宅のリースバックに関するガイドブック 001489269.pdf (mlit.go.jp)
自分が不安そうにすると「必要になったら老人ホームに入れるよう手配もするので安心してほしい」と言われ、自分で老人ホームは探せないと思っていたので契約することにした。後日、不安になり、業者に解約を申し出ると、「違約金が400万円必要だ」と言われた。
後で詳しく解説しますが、不動産の売主は売買契約のクーリングオフが利用できないため、契約が成立してしまうと後から解約ができないことも問題です。
高齢者がリースバックで詐欺的な被害者になりやすい理由としては、以下の4点があります。
情報弱者になりやすい
高齢者世帯は若年層に比べてインターネット等を使った情報収集が苦手な世代です。
特に70歳代以上の世帯では、普段からインターネットを利用している人の割合が少なくなります。
リースバック検討においては、インターネットを活用して情報収集し、一括査定サービス等を利用して他社と比較検討することが重要ですが、高齢者世帯では自宅に届いたDM・広告の情報に頼り検討することが多くなっています。
若年層と比べて高齢者は、リースバック業者の担当が言っていることが本当かどうかを調べる手立てが少ないため、情報を鵜呑みにして被害にあることがあります。
相談相手が身近にいない
高齢者世帯では、身近な親族が近くにいないことも珍しいことではありません。
子どもはそれぞれは独立し、他府県に住んでおり年に数回会う程度という家族も多いものです。
友人・知人はいても自宅の売却の話については相談もしづらく、生活に困っていることを家族に相談するのも気が引ける為、本人だけで検討せざるを得ない状況になることが多くなります。
相手を信用してしまう
高齢者の中には、リースバック業者の担当者の人当たりが良く、信用できそうな人物だと思ったら、話の根拠や証拠を調べることなく信じてしまう人もいます。
リースバック業者は取引の相手方であり、直接的な利害関係者です。基本的には自分に有利は話しかしないと考える方が良いと言えます。
リースバック業者の営業担当者もノルマがあり必死なため、巧みな話法で売主に営業をかけてきます。
最近では大手のリースバック会社も増えたため、強引な契約等によるトラブルは少なくなってきていますが、中には悪質なリースバック業者や担当者もいるため注意する必要があります。
こんな業者に騙されるな!悪質なリースバック業者6つの特徴
1.売買金額が相場より安すぎる
リースバックの売買金額が相場は、通常売却価格の70%前後と言われています。
もちろん、住まいの種類(マンション・戸建て)や立地条件・築年数等によって異なりますが、相場の半額以下となるような売買金額の場合には安すぎることを疑いましょう。
2.売買金額に対して家賃が高すぎる
リースバックの家賃が高いかどうかを判断する方法としては、以下の2点です。
・売買金額で何年賃貸として住めるか
・自分の収入で支払っていける金額かどうか
リースバック時の家賃の設定は、基本的には売買金額に連動してきますが、相場としては以下のようになります。
家賃の約14.3年分が売買金額となります。
年間の家賃合計が売買金額の10%を超えるような家賃設定の場合は、リースバック後10年で売買金額が家賃として消えていくことになります。
売却価格の相場自体が低く、売買金額が数百万円となるケースでは年間の家賃が売買金額の10%を超える設定となることもありますが、家賃が高いと感じる場合には、適正化どうか疑ってみることが必要です。
目先の売買金額ばかりに目と取られると、結果的に退去せざるを得ない状況となってしまいます。
3.高額な事務手数料等を請求する
リースバック業者の中には、事務手数料等の名目で高額な金額(数十万円以上)を売主に提示する会社があります。
リースバックによる売買は、通常の売買取引と異なる点がありますが、高額な事務手数料が取引上必要な理由はありません。
実際に大手リースバック会社では、事務手数料は根拠がないため請求しないことがほとんどです。
事務手数料を取ることは違法な訳ではありませんが、このような名目の費用がある場合は、なぜその費用が必要かリースバック業者に確認することが必要です。
事務手数料と売買金額と合わせて、いくら手残りが残るかといったことを考えることも大切です。
基本的にリースバック取引で高額な事務手数料を請求する業者は良い会社ではないと考えて良いだろう
4.強引に契約手続きを勧めてくる
急かせるように強引に契約手続きを勧めてくるリースバック業者には要注意です。
強引に契約手続きを勧めてくるこということは、その取引がリース会社にとって都合の良い条件になっており、その分売主には不利な内容になっていることが考えられます。
相手が熱心だからと、根負けして契約手続きを進められたら、解約金を請求されるといった取り返しのつかない事態になります。
5.他社の合い見積もりを取らせない
リースバック検討において、他のリースバック会社との合い見積もりをとることが最重要であることは、本サイト「熱血!リースバック塾」でも何度も記載しています。
同時に、リースバック会社が最も嫌うのが他社と合い見積もりを取られ比較されることです。
合い見積もりを取されることを嫌う理由は、以下の3点です。
・他社がより良い条件で売主に提示する可能性がある
・自社の提示した条件に客観的な材料を与えてしまう
・他社の条件に合わせることで、利益率が下がる
6.口約束が多い
リースバックでトラブルの一つとして、言った言わないの話になることです。
具体的には以下のような話でトラブルになることあります。
・賃貸借契約が更新できると聞いていたのに退去させられた。
・家賃が変わらないと聞いていたのに途中で上げられた。
・賃貸中の設備の修繕に対応してもらえなかった。
・買戻しの金額が聞いていた金額より高かった。
・売却しないと言っていたのに転売されてしまった。
このようなトラブルになった際には、契約書等の書面上で明記されているかどうかが重要となります。
証拠となるものが何もない場合には、実際に契約前に説明を受けたことでも、立証出来ないため不利となります。
重要な点については、必ず契約書の特約に明記する必要があります。
契約書の特約とは・・・
契約書は表題部・契約条文・特約内容という3つのパートで成り立っています。
契約に関して重要な部分については、特約で記載することが一般的です。例えば、買戻しについては「再売買の特約」といった文言で詳細再内容が特約に記載されます。
将来の転売については約束できない?!
口約束が原因となるトラブルにおいて、将来の転売が問題となるケースもあります。
しかし、実際のところリースバック業者の将来の転売に関しては、契約書で制限することは困難です。
大手のリースバック会社でも、「将来の転売をしない」旨の内容を契約書に盛り込んでいるケースはまずありません。
理由は、所有不動産を売却するかどうかは所有者の自由であり、債権者でない第三者が他人の所有不動産の処分を制限する権利を持つことは、通常考えられないからです。
将来の転売について話を聞くときは、あくまで現時点でのリースバック業者の姿勢として受け止めるべきで、将来に渡って約束されるものでないことは理解する必要があります。
契約後では後の祭り。リースバック契約はクーリングオフが出来ない
リースバックでの売買契約を締結した後では、クーリングオフを利用した解約をすることは出来ません。
クーリングオフとは・・
訪問販売や電話勧誘で商品を購入してしまった場合、8日以内であれば書面等で通知することで解約することのできる。冷静な判断が出来ずに商品を購入してしまった消費者を守るための制度。
理由は、クーリングオフ制度は買主保護を目的として制度となっているため、そもそも売主には適用されないからです。
売買契約を締結した後で契約をキャンセルする場合には、解約金を支払う必要があります。解約金は手付金の倍返しが一般的です。
「業者が家から帰らず無理やり契約させられた」「営業に根負けして契約してしまった」と後から嘆いても、取り返しのつかない事態となるため契約は慎重に考える必要があります。
何より、契約を無理に進めるような業者とは、容易に話を進めないことが重要です。
参考までに、不動産売買で以下の条件が揃っている場合に買主はクーリングオフを利用することができます。
・売主が宅建業者
・契約場所が売主の事務所以外の場所 ※例外あり
不動産営業歴18年のプロ直伝!リースバック業者への上手い断り方
強引に契約を勧めてくるリースバック業者・担当者と出会ってしまった場合の対処方法について、業界営業歴18年の私が解説します。
しつこい業者・担当者ほど言葉巧みに食い下がってきますので、断る場合には相手が反論できないような理由で断ることが重要です。
断りテクニック1:親族の反対
兄弟・子ども等親族に相談したら大反対されてしまった、という断り理由が最も使いやすく効果がある断り文句となります。
具体的にどのような理由で反対されたかどうかも伝えましょう。以下は参考の親族断り理由です。
・子どもに相談したら話を勝手に売却を進めたことに怒られた。
・将来の自宅の相続のこと等でもめてしまった。
・すぐに決めずにしっかり話し合って決めるべきだから一旦断るように言われた。
ポイントは相手が解決できそうだと思われる理由を言わないことです。
一旦検討を中断せざるを得ない状況だと伝えることが大切です。
リースバック業者は、検討者の親族に反対された場合には、自分が直接説得することが難しいと判断し引き下がる可能性が高いと言えます。
引き下がる可能性が高い理由としては、反対している親族に直接会うこと自体が難しいことを、担当者が一番理解しているためだ
確かに、反対している親族がわざわざ、担当者に会う必要はないですよね
担当者が食い下がってくる可能性があるとすれば、以下のような内容です。
・問題を先送りして大丈夫ですか。
・親族の方が代わりに問題を解決してくれるのですか。
・結局どうされるのですか。
リースバック検討者の問題を解決したいという気持ちのある熱心な担当者であるほど、上記のような話をされる可能性があります。
その際は、以下の問題解決が出来た断り方をおすすめします。
断りテクニック2:問題解決
リースバックを検討するきっかけになった理由(問題)が解決されたことを伝えることは断る上では非常に有効です。
そもそも検討する理由がなくなったことになるので、それ以上営業する理由がありません。
例えば、問題解決の例としては以下のような理由が有効です。
・こどもから資金援助してもらえるようになった
・親族からお金を借りることができるようになった
リースバックの検討理由を無くし、根本から営業を断つということになります。
それでも食い下がってきたら・・
上記の理由で断ったにも関わらず、しつこく営業される場合には、業者が自分の都合を押し付けようと感情的になっていることが考えられます。
・今さらやめると言われても困ります。
・すでに上司(会社)の決裁を取っているのです。
上記のようなことを言われて担当者から罵声を浴びせられることがあっても、丁重に断り引き下がってもらいましょう。契約前の段階であれば、相手の話に応じる必要はありません。
一度断りを入れたら、電話や訪問があっても出ないようにしましょう。
悪質なリースバック業者かどうか見分ける方法
合い見積もりを取る
相手が不当な条件でのリースバックで契約しようとしているかどうかを確認するためには、合い見積もりを取ることが最も有効な方法です。
理由は2点あります。
・他社との比較が出来る。
・相手業者の態度で条件の善し悪しが分かる。
悪質なリースバック業者は様々な理由をつけて、他社との合い見積もりをとらせずに契約を勧めてくるものです。
合い見積もりを取る場合は、条件を一旦白紙に戻すと言われることもあります。
しかし、本当に検討者にとって良いリースバック条件であれば、合い見積もりを取ることに抵抗しないはずです。合い見積もりを取ること理由に、商談を白紙に戻す理由もありません。
大抵の場合は業者が合い見積もりに抵抗するのは、他社に良い条件を提示され顧客を取られることが分かっているからです。
相手を信じきってしまわずに、自分で判断材料と持つためにも合い見積もりを取ることが大切だ
インターネットで調査する
インターネットでは、リースバックに関しての様々な情報が得られます。
あまり聞いたことがないリースバック会社であれば、会社の規模や事業内容などを詳しく調べることも重要です。
規模の小さな会社だとリースバック後、短期間での転売の可能性が高くなります。
高齢者がリースバックで騙されないための3つのポイント
高齢者が悪質なリースバック会社に騙されないためには、以下の点に注意する必要があります。
日頃から注意喚起をする
高齢者世帯では、資金的に困っていても融資が組めないため、将来に不安を感じている世帯が多くあります。
そのような人の弱みに付け込んで不利な条件でリースバックを勧めてくる業者も中にはいます。
高齢者が悪徳なリースバック会社に騙されないためには、日頃から親族から注意喚起をすることが大切です。
特に別居の高齢の親がいる場合には、間違っても自分たちだけで話を進めないように、日頃から伝えておく必要があります。
親族が相談に乗る
例えば高齢の両親がリースバックを検討している場合には、子どもが商談に同席して一緒に話を聞くのことをおすすめします。
リースバック業者に対しても、不利な話をさせないためのプレッシャーにもなります。特に契約時は、後からトラブルにならないためにも家族全員で聞いて進めることが重要となります。
最近では、親にのためにと子供がリースバックの問い合わせをするケースも少なくありません。
大手リースバック会社を利用する
大手のリースバック会社だから100%大丈夫だとは言い切れませんが、不利な条件でのリースバック取引となる可能性は非常に低くなります。
理由は大手のリースバック会社は、査定の仕組みが確立しているため、担当者は機械的に査定を行っているからです。
大手のリースバック会社は問い合わせ件数が多いため、良くも悪くも個別の状況を考慮して査定する訳ではありません。リースバック事業者として、適正と考える条件を提示してきます。
1点注意点としては、大手のリースバック会社でも得意・不得意があり、各社の特徴が異なるため査定内容もバラつきがあるということです。
大手に依頼する場合でも、合い見積もりは必要です。
リースバック専門の不動産仲介会社に相談するのがおすすめ
高齢者がリースバック業者に騙されないための方法を紹介してきましたが、安全にリースバック取引を行う上で最もおすすめな方法がリースバック専門の仲介不動産会社に相談することです。
リースバック専門の不動産仲介会社がおすすめな理由
リースバック専門の不動産仲介会社に相談するのがおすすめな理由は以下の3点です。
・リースバック専門知識を持った担当者が対応
・中立的な立場で提案ができる
・同時に複数のリースバック会社の査定取得できる
リースバック専門の仲介不動産会社は、経験豊富な担当者がリースバックを希望する売主と買主であるリースバック業者の間で中立的に仲介を行います。
不動産の仲介会社である以上、売主・買主どちらにも対しても責任があるため、説明不足等でリースバック検討者である売主に不利な契約となる可能性が低くなります。
一般的な不動産仲介会社と何が違う?
一般的な不動産仲介会社と異なる点は、リースバック専門の不動産仲介会社は多くのリースバック業者と提携しており、リースバックの査定を同時に依頼して、最も条件が良い業者を紹介できる点です。
年間を通して多くのリースバック取引を提携先と行っており、各リースバック会社違いや細かな商品性の違いを把握しているため、総合的に良いリースバック会社を提案をすることが可能です。
リースバックに関する知識がなく、リースバック業者と直接やりとりすることにも不安がある場合には、リースバック専門の不動産仲介会社を利用することが最もおすすめです。
紹介するリースバック業者もほとんどが大手リースバック会社のため安心です。
一般的な不動産仲介会社はリースバック専門ではないため、上記のようなサービスは行っていないぞ
代表的なリースバック専門の不動産仲介会社
リースバック専門の不動産仲介会社はいくつかありますが、中でもおすすめな会社は株式会社応援宣言で「家まもルーノ」とうサイトで依頼することが出来ます。
株式会社応援宣言の「家まもルーノ」をおすすめする理由としては以下の3点です。
・全国対応可能
・リースバック専門の一括査定のパイオニア
・リースバックで最もよく利用されているサイト
リースバック専門の不動産仲介会社
・リースバック一括査定のパイオニア
・担当者は1人で負担が少ない!
・全国47都道府県の対応が可能
・査定依頼は完全無料!
以下は、リースバック専門の不動産仲介会社と運営サイトの一覧です。
サイト名 | 家まもルーノ | HOUSEMATCH | リースバックコンサル | 家もん | サポートリースバック | リースバックマッチ |
---|---|---|---|---|---|---|
おすすめ度 | ||||||
月間サイト 訪問者数 | 30万~40万人 2023年3月時点 | ー | ー | ー | ー | ー |
運営会社 | 株式会社応援宣言 | 株式会社NGU | 株式会社モリートハウジング | 株式会社ファースト | 株式会社クレス | プライムリアルエステート株式会社 |
本社・営業所 | 東京都渋谷区 大阪市西区 | 東京都千代田区 | 東京都新宿区 | 東京都港区 | 東京都千代田区 | 東京都千代田区 |
運用開始 ※ドメイン開始日 | 2019年4月 (日本初) | 2020年6月 | 2020年11月 | 2020年12月 | 2021年11月 | 2020年9月 |
同時査定数 | 10社 | 10社 | ー | 10社 | ー | ー |
提携会社数 | 100社 | ー | 50社 | 100社 | 50社 | ー |
対応エリア | 全国 | 全国 | 関東圏 (一都三県に強い) | 全国 (主に関東圏) | 関東圏 | 関東圏 |
特徴 | リースバック一括査定で最も使われているサイト。 | 最大仲介手数料無料。24時間受付 | 契約後サポート税理士等の士業を紹介可 | 通常売却・買取にも対応 | 仲介手数料無料 | |
詳細 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
まとめ
最後にまとめです。
高齢者にリースバックが多い理由
・資金調達の手段が少ない
・住宅ローンが残っていない
・年金だけでは生活が厳しい
高齢者がリースバック業者にカモにされる理由
・情報弱者になりやすい
・相談相手がいない
・相手を信用してしまう
悪質なリースバック会社6つの特徴
・売買金額が安い
・家賃が高い
・強引
・高額な事務手数料を請求
・合い見積もりを取らせない
・口約束が多い
リースバック契約はクーリングオフができない
・クーリングオフは買主を守るための精度で売主が守られる制度ではない
高齢者がリースバックで騙されない3つの方法
・日頃からの注意喚起
・親族が相談に乗る
・大手のリースバック会社を利用する
リースバックは専門の仲介会社に相談するのがおすすめ
・リースバックでは専門知識を持った不動産仲介会社に相談するのが最も安全。
生活資金に困っていても、融資を組むことが難しい高齢者世帯にとって、リースバックは引っ越しを伴わずに老後の生活資金を得る有効な手段です。
不動産業者の中にはリースバックという手法を利用して、高齢者に不利な条件で売却を契約を進めてくる業者もあるため注意が必要です。
より良いリースバック取引をするためにも、今回紹介した注意点を参考に検討してもらえればと思います。