リースバックを検討しているけど、実際のところ売買金額や家賃の査定はどれくらいになるんだろう。査定を依頼する前にある程度の査定のイメージをつかんでおきたい。
リースバックの査定の仕組みを知りたいと考えられている人も多いのではないでしょうか。
今回は、現役でリースバックの査定に携わる私がリースバックの査定と仕組みについて解説します。
本授業のレベルsection
今日はリースバックにおける、売買金額・家賃に関する授業です
売買金額・家賃については、基本となる考え方について理解しておけば、査定をする前でもある程度想定することができるぞ
それでは、よろしくお願いします
- リースバックの査定の基準について知ることが出来る。
- リースバックの査定の仕組みを知ることが出来る。
リースバック取引の仕組み
リースバックは自宅に住み続けながら持ち家を売却し、まとまった現金を確保できる方法です。
引っ越しすることが難しいシニア・高齢者世帯を中心に、最近注目されている不動産売却手法です。
リースバックの売買金額・家賃の査定基準とは・・
売買金額
リースバックは、不動産業者が買主となる買取の一種です。そのため、一般相場と言われる売却金額では売ることはできず、相場より低い金額となります。
リースバックの買取金額は、個別の条件(立地や築年数等)によって様々ですが、マンションの場合で通常の売却金額の60%~80%の範囲で設定されることが多くなっています。
一戸建ては、築年数が25年以上の場合は建物の評価が0円と見なされるため、土地の評価額を元に算出することが多くなっています。
売買金額は結構安くなるんですね
住み続けることが出来る代わりに、売買金額が安くなる。リースバックを検討する上では、これを最初に理解する必要がある
家賃
家賃については、普通賃貸借契約の場合と定期賃貸借契約の場合で考え方が異なります。
普通賃貸借契約とは・・
賃貸借契約の期限がなく、長期的に住み続けることができる契約方式。将来の引越しを考えていない高齢者世帯がリースバックを検討する場合は、普通賃貸借契約で検討することが多くなっています。
定期賃貸借契約とは・・
1年・3年・5年等賃貸借契約の期限が予め決められている契約方式。期限が満了すると、賃貸借契約は終了となるため退去する必要があります。
売買金額を年間の家賃で割ったものを利回りと呼びます。
普通賃貸借契約の場合であれば、利回りは7%~10%で設定されていることが多くなっています。
定期賃貸借契約の場合は、利回りが5%前後で取り組みしている場合もあります。
例えば、売買(買取)金額が2,000万円であれば、利回別の年間と月額の家賃は以下のようになります。
利回り | 年間家賃 | 家賃 |
---|---|---|
5% | 100万円 | 83,000円 |
6% | 120万円 | 100,000円 |
7% | 140万円 | 116,000円 |
8% | 160万円 | 133,000円 |
9% | 180万円 | 150,000円 |
10% | 200万円 | 166,000円 |
利回りが違えば家賃が全然違いますね。どうして普通借家契約と定期借家契約でこんなに家賃が変わってしまうのでしょうか?
定期借家契約であれば、退去時期が決まっているため退去後の転売利益が想定しやすい。必ずしも家賃で利益を取る必要がないからだ。普通借家契約はその逆となる。
普通借家契約の場合は退去時期が読めず将来の転売利益も想定が難しいから、家賃を多めにとっておきたいということですね!
売買金額・家賃のポイント
売買金額:通常の売却金額の60%~80%(マンションの場合)
家 賃:普通賃貸契約の年間家賃は売買金額の7%~10%。
リースバック売買代金・家賃設定の仕組み
リースバックの査定の基準の次は売買金額・家賃がどのような計算されて決められているかについて解説します。
売買代金
リースバック会社は市場で取引されている価格より安く不動産を購入し、将来市場金額で売却することを想定しています。リスバックに定期借家契約が多いのは、賃借人が確実にして転売利益を確保したいからです。
リースバック業者は退去後の売却で、買取金額の10%程度の利益を得ることを想定しています。
買取金額2,000万円であれば200万円となります。
リースバック会社が転売により10%の利益を出すためには、以下のような諸経費も計算に入れて売買金額を設定する必要があります。
不動産取引に必要な諸経費
不動産取引には、仲介手数料や税金等の様々な費用が発生します。以下は不動産取引に必要な費用の一覧です。
・仲介手数料
・登録免許税
・印紙代
・不動産取得税
・登記費用
※仲介手数料・登記費用に関してはリースバック取引時だけでなく、将来の売却時も発生します。
リースバックを検討してる売主側で必要な諸経費については以下の授業でも解説しています
退去時のリフォーム・解体費用
リースバック業者は、賃借人が退去した時の室内状況を想定することができません。
退去時に室内が傷んでると、そのまま売却することは難しくなるため、退去時に必要となるリフォーム費用を予め経費として見込んでいる会社もあります。
一戸建ての場合には、建物が古く退去後に売却することが困難な場合は、建物を取り壊して更地にする必要があるため、解体費を経費として計算をします。
リースバックで室内の内覧が必要な理由は、現時点での部屋の状態や痛み具体を確認するためです。室内で犬や猫等のペットを飼っている場合は、室内の痛み具合が激しくなるため、売買金額に影響することもあります。
築年数経過による値下がり
賃貸期間によって築年数が経過することで、資産価値が下がり将来の売却金額が下がる可能性があります。
特に賃貸期間が長いリースバックの場合は、将来的に現在の価格で売却出来る可能性が低くなるため、売買価格が低くなる傾向にあります。
築年数による将来の値下がり幅をどの程度想定するかは、リースバック会社によって異なります。
これがリースバックの査定が会社によって大きく異なる理由にもなっています。
上記の要素を考慮した上で売買価格が決められるため、通常の売買金額の60%~80%となる
家賃
普通借家契約の場合
普通賃貸借契約のリースバックの場合、賃貸期間に期限がなく賃借人が短期で退去しない可能性が高いため、長期で貸すことを前提に考えます。
賃貸借契約が15年・20年等長期となると不動産相場価格の変動や経年劣化による建物の評価減があるため、退去時の転売益は期待できません。
そのため、リースバック業者は売主が支払う家賃で売買代金を回収していく必要があります。
家賃が高ければ早く資金を回収することができますし、家賃が安ければ資金回収に時間がかかることになります。
家賃回収までの想定期間
リースバック業者が目安として設定しているのが約10~15年。利回りにすると7%~10%。
リースバックは買主の視点では一種の不動産投資です。
投資資金の回収に何十年もかかるような場合は、リースバック会社は投資効率が悪いと判断し、別の投資案件に投資した方がよいと考えます。
この投資効率が悪いかどうかを判断する基準が、利回り7%~10%なのです。
最近はリースバックを取り扱う会社も増えてきており、リースバック会社の利回り対する考え方も変化しています。
例えば、定期借家契約でリースバック期間が終了した後の売却利益が見込める場合は、賃貸期間の家賃を安く設定するといった会社もあり1年間の家賃を無料にするという会社もあります。
普通借家契約の場合でも、立地条件や査定のタイミングによっては定期借家契約並みに家賃を抑えることができる場合もあります。
普通借家契約を希望する場合でも、家賃が高くなるからと諦める必要はないということですね
ある程度査定のイメージが出来て検討できる場合は、実際に査定を行ってみるといいぞ
査定シミュレーション
それでは、マンションのリースバック事例を元に売買代金・家賃について確認をしてみましょう。
種別 マンション
場所 都内近郊
相場 3,000万円
売買代金:1,800万円~2,400万円
家 賃:10.5万円~20万円
売買代金
現在3,000万で取引されているマンションですが、リースバック時の買取金額は通常取引の60%~80%のため1,800万円~2,400万円と想定できます。
3,000万円で取引されているというのは、現在3,000万で売り出しされているという意味ではありません。
直近で3,000万で取引された実績があるという意味になります。売出金額は相場より高く出されていることが多いため、売買代金の査定基準にはならないことに注意が必要です。
家賃
家賃に関しては、売買代金の7%~10%が年間家賃となるため、それぞれ以下のように計算できます。
利回り7%:家賃105,000円
利回り10%:家賃は150,000円
利回り7%:家賃140,000円
利回り10%:家賃は200,000円
やっぱり、リースバックは売買金額が安くなるんですね
リースバックで売買金額が安くなるのは紛れもない事実だ。高く売却したい場合は、通常売却が最も良い方法だが引越す必要がある。
今の自宅に住み続けることと売却価格どちらが重要かを考えてることが大切ということですね!
リースバックのニーズに応じてメリットのある商品はある
最近ではリースバックに取り組む企業も多くなり、利用する人のニーズに合わせて様々なリースバック商品が登場しています。
そして、リースバックの取り扱い会社が増えることで競争が生まれた結果、利用者にとってリースバックの条件が良くなり検討し易くなっています。
例えば、1年間の短期的なリースバックの場合は家賃が無料となる商品や将来買戻しを考えている人にとって買戻しの金額を低く設定できる商品もあります。
家賃設定に関しては、これまでのリースバックの家賃が高すぎて支払いが難しいと感じる方が多くいました。そんな状況で、リースバック会社も出来る限り家賃を抑えて提案するような流れになってきています。
各リースバック会社の特徴については、以下にまとめているので確認してほしい
まとめ
リースバックにおける売買金額・家賃の査定とその仕組みということで、事例を交えてご紹介しました。
リースバックにおける売買金額と家賃についてのおさらいです。
売買金額:通常の売却金額の60%~80%(マンションの場合)
家 賃:普通賃貸契約の年間家賃は売買金額の7%~10%。
実際のリースバックの査定を依頼してみると、以外にも好条件で提示されたという事例もあります。
リースバックでは売買金額・賃貸設定に関する様々な基準があって査定を行いますが、リースバックを検討している方のニーズは千差万別で希望条件もそれぞれ異なります。
そのため、自分にニーズに合ったリースバックの条件を提示できる会社選びが重要となります。
「会社が有名だから」「どこに査定依頼しても同じでしょ」「比較するのが面倒だから」といった理由だけでリースバック業者を選定してしまうと、より良い条件の会社を見つける機会を失ってしまう可能性がありもったいないです。
リースバックの査定を依頼する際は、必ず複数社の見積もりを取り比較検討するようにしましょう。
どこにリースバックの見積もりを依頼すれば良いかわからない、複数の担当者とやり取りして検討するのが煩わしい、等感じられている方は以下の便利なサービスがありますので利用することをお勧めします。
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